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古今亭志ん生、八代目桂文楽、三遊亭圓生、古今亭志ん朝など過去の名人落語家の残された落語音源データを公開しています。

 
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10月19日のラジオ寄席2014年10月15日 20:37

 次の日曜日のラジオ寄席は「懐かしの名人芸」で古今亭圓菊師匠の特集だと、TBSラジオの以下のページで告知されています。

http://www.tbs.co.jp/radio/format/yose.html

 ただし、プロ野球のクライマックスシリーズの決着がついていなければ放送は休止となります。圓菊師の口演は一昨年のこの番組でも放送されましたが、やはり地方向けの裏送りのみで関東エリアのTBSラジオでは放送されませんでした。今回も放送中止の可能性が高いとはつくづく放送縁(?)のない師匠です。さらに日本シリーズで10月26日は放送休止、同じく11月2日も放送休止の可能性があります。
 今年度からは「radikoプレミアム」のサービスが開始されましたので「合法的」にPCやスマホでエリア外のradiko放送を聴くことができるようになりました。月額378円払えばプロ野球中継の放送されない地方局向けの裏送り放送で「ラジオ寄席」を楽しめますが、皆様はどうされますでしょうか。

八代目三笑亭可楽の居宅を訪ねる2014年10月16日 23:03

 八代目可楽と言えばあの舌の回りの悪い不思議な「べらんめえ」口調。いかにも江戸というか古い東京を思わせてくれる師匠ですが、CDブック「昭和の名人」の冊子を読むと住居は新宿区戸山だったそう。山の手です。師のイメージからは下町住まいなのですが、どのような事情があったのでしょう。戸山というと戦前は軍の諸施設が存在し、戦後東京の住宅難に伴って都営団地が計画的に建設・開発されたりした新しい町です。先代可楽の3番目の妻となった方が戸山の復興住宅に住んでおり、その方と同居するとの形で先代可楽もこの戸山の住人になったそうです。晩年、病魔に侵され入退院を繰り返すようになった一方、戸山の町内で土地を買い自身の家を建てました。そして亡くなったのは昭和39年の8月。この新築したばかりの家にはごく短い間しか住まなかったことになります。
 ということで、住居は戸山のどこにあったのか特定の作業です。例によって国会図書館へ行き、過去の東京都23区の電話帳をあたります。探すと「三笑亭可楽」という欄があり住所はあっさり分かりました。師の本名は「麹池(きくち)元吉」。麹町(こうじまち)の「麹」で「きく」と読ませるとは大変変わった姓です。電話帳を眺めているうちに一つ面白い事を発見しました。この東京都23区の電話帳にも「麹池」という苗字の家は3軒しかなく、そのうちの1軒で大田区に「麹池三吉(表具)」という表記を見つけました。wikipediaによると先代可楽は黒門町の経師屋の家の生まれだそうで、長男だった可楽は家業を継がず、代わりに弟が継ぎさらに居を大田区に移したのでは、そんな可能性が十分にあると思います。
 次に国会図書館の内の地図室へ行き、昭和39年前後の新宿区の住宅地図を探します。人文社という会社と住宅協会という会社の2社の地図がありました。電話帳で探し当てた戸山町43番地というのがやたら広く百数十軒の家がある。そしてあるにはあったのですが、片方の出版社の地図では「麹」の文字の左側が「糸」のようになっている。地図を作製した人もこの難字には惑わされたようです。(下の画像をクリックすると大きな画像で見られます)

三笑亭可楽居宅地図(1)


三笑亭可楽居宅地図(2)


 すぐ北側には区の福祉施設がありその北側が都立戸山高等学校。師の最後のお弟子さんは今の茶楽師匠ですがどういう縁か、茶楽師はこの戸山高校の出身です。明治通りの向かいの土地は、「早稲田大学理工学部建設用地」とある。さらにトロリーバスの車庫があります。昭和40年代まで日本でも大都市を中心にトロリーバスは走っていましたが、今では立山黒部アルペンルートに観光用路線として残っているのみ。当時は東京では明治通り沿いに3本の路線があったようです。
 というわけで今月のある日、さっそくこの家を訪ねました。トロリーバスが廃止されて40年ほど経ち、今明治通りの地下を走るのは2008年に開業した副都心線。初めて西早稲田の駅で下車し南側の出口を出ます。賑やかな明治通りから一歩脇へ入ると閑静な住宅街に。先代可楽の住んでいた家は駅を出て歩いて5分とかからない場所にありました。

三笑亭可楽居宅写真(1)


三笑亭可楽居宅写真(2)


 最近は見かけることも少なくなった下目板張りの家。いかにも昭和30年代と思わす家で、師が亡くなる前に建てた自宅というのがそのままに残っているのでしょう。楕円形の小さな表札があり「麹池」とあります。(ただし「麦」部分は旧字体となっている)。先代可楽には2番目の妻との間に娘さんが一人いたそうですが、いまここに住んでいるのはどなたなのでしょう。静かな住宅街の中で怪しげな男が一人あまりボッーと突っ立ているものではありません。プライベートな事を詮索する間もなく、かつての師の居宅を離れました。

次回の「ラジオ寄席」は八代目林家正蔵特集2014年10月29日 13:14

 TBS「ラジオ寄席」のサイトによると次回11月2日の放送は、八代目林家正蔵の特集だとのことです

http://www.tbs.co.jp/radio/format/yose.html

 「反魂香」と「引窓与兵衛」の2席とのこと。「反魂香」は先代正蔵としては珍しい噺で、市販音源はなく私もエアチェック物を1席しか所持していません。「引窓与兵衛」も珍しい噺で、今では正雀師が持ちネタにしている他、なんとあの春風亭百栄さんが今年国立演芸場で演じたそうです。
 例によってTBSラジオではプロ野球日本シリーズがある場合放送は休止。土曜日までに決着がついて欲しいものですが。

 前回26日のTBSラジオでの放送はやはり野球のため休止となりました。東北地区など野球中継のないラジオ局では裏送りとしてオンエアはあり、八代目雷門助六の「長短」「替り目」が放送されました。先代助六師は持ちネタの多い師匠ではありませんでしたが、寄席向きの誰でも楽しめる軽い噺が多かったためか、この「ラジオ寄席」でかかることが結構あるように思えます。今回放送のなかったTBSラジオでも年末年始などに正規の放送時間以外でイレギュラーに放送される可能性もありますので、これからもサイトなどでの情報を細かくチェックするよう努めましょう。

【追記】(10月31日)
 TBSラジオのサイトによると、先代正蔵特集の前、19:00~19:55の間に、先日野球中継のため休止となった八代目雷門助六の特集がスペシャル番組として放送されます。前回聴けなかった方はこの機会にエアチェックを!