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柏木と中野坂上~かつての圓生居宅をゆく(その1)2013年01月11日 20:50

 昭和の名人・三遊亭圓生師が「柏木の師匠」とも呼ばれていたことは、落語ファンならもちろんご存じでしょう。もちろん柏木に居を構えていたからですが、柏木という町名が消え「西新宿」「北新宿」という無機質な名前になってしまったのは1971(昭和46)年のこと。もう40年以上も前ですから柏木という地名があった事を知る人も少なくなったでしょう。
 「柏木」は新宿駅西側の青梅街道の北側にあった町で町域は広く1丁目から5丁目までありました。圓生師は柏木のどの辺りに住んでいたのか、ファンとしては知りたいところです。圓生師の次男・佳男さんの著書『父、圓生』には圓生師が柏木に住んでいた頃の事情が良く描かれ、さらには圓丈師のホームページ(リンク→ここをクリック)を見ると具体的な場所まで詳細な情報が得られます。当時の淀橋第一小学校の校門の向かいに居宅はあったとのことで、国会図書館で昭和40年の住宅地図を調べ現在の地図と照らし合わせて場所を特定することが出来ました。
 早速行こうと思ったのですが、この年末年始は寒さが厳しいせいか関節が痛み、なかなか遠出をする気になれず、やっと1月5日の土曜日に夜の某落語家さんの会に行く前に、柏木とその後移り住んだ中野坂上の圓生師のかつての居宅(跡)を訪ねることにしました。
 丸の内線・西新宿駅で下車。道幅の広い青梅街道の南側は名だたる高層ビルが林立する地域ですが、同じ「西新宿」という町名でも街道の北側は、昔ながらの2階建てのモルタル住宅や3~4階建ての小ビル・マンションが建つ雑多な界隈です。駅付近から北に延びる細い道を歩くと間もなく「西新宿中学校」が見えてきます。ここがかつて「淀橋第一小学校」のあった地で、目指す圓生師居宅跡は現在の中学校の校門の斜め向かいにありました。
圓生師、柏木の居宅跡
 圓丈師や佳男さんの述懐によればかつての圓生師宅は平屋建てで黒板塀に囲まれ庭には石燈籠のある落語家らしい落ち着いた佇まいの家だったのと事で、住んでいたのは1957(昭和32)年から1966(昭和41)年までです。現在ですが、圓生師が土地を売却してすぐに建てられたと思われる3階建ての建物があります。四十数年前に建てられたこの建物は煤けた雰囲気で人のいる気配がしないのですが、エアコンの室外機が回っていたのでやはり、誰だか人はいるのでしょう。昭和40年の住宅地図によると、圓生師宅の左側の路地の突き当りは幼稚園で、その右隣は「菊の湯」という銭湯があったとの事ですが、人の生活の臭いが薄れつつあるこの町には当然のようにもはや存在しません。
 圓生師は1966(昭和41)年にはこの家を売却し、200メートル程北にあるマンションへ引越し、さらには1971(昭和46)年には中野坂上のマンションへ転居します。長くなるので後日また記すことにします。

コメント

_ にゃおん! ― 2021年06月23日 03:42

はじめまして。私は、淀一の卒業生です。

圓生師匠のお屋敷の佇まい、記憶に残っております。
当時、黒板塀の家となれば、落書きの格好の標的になったものです。
しかし、圓生邸だけは、手を出すのがためらわれ、誰一人として落書きをする者はおりません。
子供心にも、ある種の威厳のようなものを感じていたのでしょう。

それが屋敷の構えから生じる威厳なのか、
あるいは圓生師匠の威厳なのか、今となっては定かに書き記すことができません。

当時の子供にとって、テレビに出る落語家は、スターであり、憧れの有名人でありました。
圓生師匠は「名人」として格別の扱いでありましたから、
軽々しく落書きをしてはならぬ、と子供たちも自戒していたのは確かです。

もう50年以上も前の話ですが、懐かしさでコメントをさせていただきました。
お読みいただき、ありがとうございます。

_ 若手圓生ファン ― 2023年01月03日 18:40

いい話ですねー

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