【落語はろー・データ編】公開中(ここをクリック)

古今亭志ん生、八代目桂文楽、三遊亭圓生、古今亭志ん朝など過去の名人落語家の残された落語音源データを公開しています。

 
【演芸とりどり掲示板】(http://koudanroom.bbs.fc2.com/)

 

国会図書館で落語SP盤音源を聴く2012年12月16日 13:18

  最近更新していません。この2カ月ばかり落語SP盤の音源の収集と資料整理に凝っており、シコシコとデータをまとめています。なにしろ歴史の長いものなので収集するのも大変なのですが、都家歌六師匠の「落語レコード八十年史」という素晴らしい道標の書があり、作業はまあまああ順調に進んでいます。
 さて、私は月に数回は(落語に関する事以外の用事で)国会図書館へ行くのですが、先日も赴き、初めてSP盤の落語音源を聴く機会を得ました。国会図書館がSP盤を収集しデジタル化して館内で視聴できるようにし、さらに著作権の切れたものはネットで公開するという事は、2~3年前にニュースになったと思います。で、落語音源についてその収集の状況がどうなっているかをネットで調べて見ました→ここをクリック
 現在のところ「落語」で登録されているのは388。ただし、SP盤の表面、裏面をそれぞれ「1音源」とカウントされ、またレコード2枚で1席の音源もありますので、席数としてはその半分を下回る150席程度かと思います。
 これらはすべて、国会図書館内でなら簡単に視聴できます。本館2階のゲートを入って正面に検索・資料請求用の端末がズラリと並んでいるフロアがありまして、そこの左側の一番奥の場所に「歴史的音源聴けます」と書かれたヘッドフォン付きの端末が4台あります。視聴は自由ですがダビングして保存することは出来ません。
 SP盤音源ですので1席の長さは6~7分程度です。過去の落語家が短い時間に苦労してまとめている様や、「レコード」という「進歩的」なものを利用している事に合わせてか、噺の内容も当時の先端の時流を取り入れようといろいろ工夫している様が聴いててなんとも面白いです。皆さんも国会図書館に行った折、少し時間があるならば視聴してみたらいかがでしょうか。
 また、著作権の切れている音源についてはネットで自由に視聴できる事になっている、はずなのですが、落語音源で聴けるのは何と三代目三遊亭圓馬の「三人旅」の1席のみ→ここをクリック。初代柳家権太楼、7代目春風亭柳枝、7代目林家正蔵、5代目三升家小勝などは、既に死後50年以上経過しており著作権保護期間は終了しており、音源は自由に公開したりコピー・再配布等の利用ができる状態(パブリック・ドメイン)となっています。もちろんネットでの音源公開も出来るはずです。
 で、国会図書館の総合案内所の窓口へ行き、パブリック・ドメインになっているものは積極的にネットで公開して欲しい、または館内でダビングできるようにして欲しいと要望を言い、さらに先の所蔵音源を登録しているデータベースに誤りが多々ある事など(落語家の代数が不明だったり「志ん生」が「志人生」になっていたりする)を説明しました。窓口の人は、また面倒な奴が来たとでも思ったのか、「我々にはそういう詳しい事はわかりません。投書箱がありますから、それを利用してください」と如何にも役人的態度であしらわれてしまいました。「押し」の弱い私はそれ以上強弁できず、投書箱に投書して退散してしまいました。はたして、私の投書への返事は来るのでしょうか。投書箱の上には図書館の担当者からの返事が掲示されていますので、機会があったら見てください。

年末あれこれ2012年12月28日 01:03

 義務という訳ではないのですがやらなければならない事がいっぱい詰まっている年末です。
 TBSラジオ「ラジオ寄席」。23日の放送は「なつかしの名人芸」で四代目春風亭柳好師の特集でした。wikiによれば、1989年に高座を離れ1992年に死去しているとのことで、もう少しの所で私は生の高座に間に合いませんでした。陽気に笑わせてくれる三代目と比べると地味な師匠でしたがゆったりとした語り口は何とも通好みで、もっと評価されてよい師匠だと思います。
 で、新春2日から4日までは「ラジオ寄席」のスペシャルで、八代目文楽師、圓生師、八代目正蔵師の特集があるとか→ここをクリック。放送時間は21時00分から55分までとレギュラー放送とは異なりますので注意。新しい音源は出て来るのでしょうか。
 さて、新たに小三治師匠の落語研究会の10枚組のDVD全集が発売されました。5年前にも同じく10枚組の全集が発売されていますが来年発売される予定の下巻を含めて映像の重複はないそうです。今までに小三治師は落語研究会に115回出演していますが、すべて入手すればそのうちの6割程の映像を揃えられることになります。
 小三治師は今月73歳の誕生日を迎えられ、談志師も亡くなった現在、東京の落語界では「この人しかいない」と言って良い存在でしょう。今でもテレビで年に数度、高座の姿を見られますが、話すことが楽しくてしょうがないという溢れんばかりの陽気さが年々薄れているような気がしてなりません。