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八代目三笑亭可楽の墓参りに行く2015年08月25日 00:12

 昨日、8月23日は八代目三笑亭可楽師の命日でした。師が亡くなったのは1964(昭和39)年。まもなく東京オリンピックが始まろうという頃でした。現在、「三笑亭」の亭号を持つ噺家さんは落語芸術協会に十名ほどいらっしゃいますが、すべてこの八代目可楽師の系統の噺家さんですね。夏の暑さもやや和らいだ日曜のよく晴れた日、墓参りへと赴きます。

 地下鉄を乗り継いで千代田線の千駄木駅で下車。団子坂下交差点側の出口を出、信号を渡って東へ。5分ほどゆるい登坂を歩くと左手にあるのは落語ファンにはお馴染み「全生庵」。この時期には幽霊画が公開されているはずですが見学する時間はなく通り過ぎます。このすぐ先、北側へと延びる一直線の細い道がありここを左折。1分ほど歩くと右側に目指す谷中の臨済宗の寺「興禅寺」がありました。

谷中・興禅寺


 八代目可楽師の墓参りの前に、同じくこの寺にある初代桂小南師の墓へ。ついでの墓参りは良くないと言われますが、ここまで来て無視する訳にもいきません。本堂の裏手に行くと「岩田家之墓」と刻まれた墓はすぐに見つかりました。初代小南師は本名が岩田秀吉。1947(昭和22)年に67歳で亡くなっています。先日亡くなった桂米朝師も東京での学生時代に、師の最晩年の高座を見たとか。八代目桂文楽師の最初の師匠であり、「電気踊り」なる珍奇な芸で寄席を沸かせたことでも有名ですね。

初代桂小南の墓

 
 さて、いよいよ先代可楽師の墓参りです。目指す墓はどこにあるのか。あらかじめネットの有名人の墓を紹介するサイトをあたり、「墓地の入り口付近の大きな木の下」という情報を得ていたのですが、その付近をいくら探しても見つからない。しばらく墓地をウロウロしていると、この寺の方と思われる女性が姿を現し、思い切ってお墓がどこにあるのかを聴くとあっさりと場所は分かりました。サイト情報とはまるで違う場所で、ネットが有用な情報源であるのは事実ですが、すべてを鵜呑みにはできません。墓は本堂裏手のポンプ井戸のある付近に。さきほど参った初代小南師の墓からそれほど距離はありません。
 さて、墓石正面には大きく「聖應院仁貞省心居士」という戒名が刻まれていますが、これは先代可楽師のものではありません。墓石左側面には「通称 麹池省三」、右側には「明治廿九年五月五日没」と記されています。先代可楽師は明治31年の生まれですから、師の祖父あたりの名ではないかと推測します。

谷中・興禅寺 八代目三笑亭可楽の墓(1)


 墓石左側の下の方には、

「清雅院眞覺大夢居士」昭和三十九年八月二十三日
八代目三笑亭可楽 俗名麹池元吉 行年六十八才

 と刻まれています。なんとも清々しい感じのする戒名で、師の渋いイメージにはあまり合わないなぁ、と言っては失礼でしょうか。

谷中・興禅寺 八代目三笑亭可楽の墓(2)


谷中・興禅寺 八代目三笑亭可楽の墓(3)


 まだ朝の早い時間だったためか、墓前にはまだ花も線香も供えられていません。夏の陽は照り付けているものの、風があって凌ぎやすい、そんな谷中の寺町を歩きながら次の目的地に向かいました。

コメント

_ 納札小僧 ― 2015年08月25日 23:49

アタシが大好きな可楽師の墓参に出向いていただき感謝します。

ここで可楽師のエピソードを一つご披露。

可楽師が黒門町へ用事があり玄関先に入り、

「可楽ですが、お師匠さんおりますか?」

とたんに奥から座敷犬がワンワンワンと飛び出してきて
いきなり可楽師の足をガブリ!

続いて奥から長屋の淀君こと黒門町夫人が出てきて一言、
「ア~ラ可楽さん、うちのチィーちゃんは予防注射打ってあるから大丈夫よ」

可楽師 それを聞き

「ムギュ ギュ ギュ 失礼」って足を引きづり帰ったんですって、

淀君は凄いですね!

ヘイ お粗末様

_ はろー ― 2015年08月27日 22:16

 普段から苦虫をかみつぶしたような顔をしている先代可楽師の表情が、ますますいかめしくなったのでしょうか。想像しただけで可笑しいですね。
 あの舌っ足らずの喋り方、ぶっきらぼう、面白くなさそうな顔、落語家にとってはマイナスな要素ばかりなのに、「可楽」という噺家として纏まると無類の魅力となる、こんな噺家はもう出てはこないのではないでしょうか。

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