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宝井琴調先生、講談の絵本を出版2016年06月21日 09:30

 講談師の宝井琴調先生が講談を題材とした本を出版されました。福音館書店という児童書では有名な出版社からの発売。内容は『三方一両損』を絵本にしたものです。18日の土曜日に御茶ノ水で開催された講談会では琴調先生が出演されまして、この絵本の即席の販売会とサイン会が開かれました。(以下の画像はクリックすると大きな写真で見られます)

宝井琴調・絵本を出版01

↑その絵本。

宝井琴調・絵本を出版02

↑右ページ、琴調先生のサインを頂きました。

宝井琴調・絵本を出版03

↑サインをする琴調先生。ちなみに釈台とめくり台は、先年閉鎖された本牧亭で長年使われてきた本物です。

次回以降のTBS「ラジオ寄席」2016年01月22日 13:21

 TBSのサイトで、次回以降の「ラジオ寄席」の放送内容が告知されています。

◆1月24日(日)20時00分~20時55分
十代目桂文治特集「道具屋」「浮世床」

◆1月31日(日)20時00分~20時55分
落語 林家たけ平「金色夜叉」
コミックソング 弱つよむ
落語 橘家文左衛門「寄合酒」

◆2月7日(日)20時00分~20時55分
講談 神田松之丞「谷風の情け相撲」
漫才 あした順子・昭和こいる
落語 桂小文治「不動坊」

http://www.tbs.co.jp/radio/format/yose.html

 2月7日の放送はなんと講談で神田松之丞さんが出演なさるとのこと。松之丞さんは落語芸術協会の若手二ツ目グループ「成金」の一員です。「成金」は若いファンも多く人気だそう。今期の「ラジオ寄席」でもこの「成金」のメンバーがよく出演して、桂宮治さんや柳亭小痴楽さんがすでに出ています。また講談師の神田松之丞さんは、演芸のなかでもさらにマイナーな講談という分野で、まだ二ツ目ながら異例の人気を誇る若き講談界のホープです。期待して放送を待ちましょう。

NHK-FMで年始にオペラ寄席「すぱげっ亭」を放送2015年12月23日 00:08

 昨年、そして今年夏とNHK-FMで放送された「オペラ寄席・すぱげっ亭」ですが、この年始にも放送されることが分かりました。以下、この番組の脚本を書いてらっしゃる桜田ゆみさんのブログより。

http://sakurada-yumi.com/info.html?id=81

NHK-FM 新春・オペラ寄席「すぱげっ亭」冬席 2016

1月3日 17:50~18:50 フィガロの結婚 講談・神田紅
1月4日 18:00~18:50 メリー・ウィドー 落語・古今亭菊之丞
1月5日 18:00~18:50 蝶々夫人 浪曲・玉川奈々福
1月6日 18:00~18:50 椿姫 講談・神田陽子
1月7日 18:00~18:50 トスカ 落語・春風亭一之輔

 今回ははじめて浪曲から玉川奈々福さんが出演されます。これは楽しみ!

NHK-FMで『オペラ寄席 すぱげっ亭』放送2015年08月13日 09:11

 8月17日(月)から21日(金)の間の5日間、NHK-FMで『オペラ寄席 すぱげっ亭』という不思議なタイトルの番組が放送されるとのこと。「オペラ寄席」と聞くと、三遊亭究斗師の「ミュージカル落語」のようなものを想像してしまうかも知れませんが、形態としては逆で、「オペラ」で演じられている演目を落語・講談などの演芸で口演するものだそうです。以下は、NHKの番組告知ページのURL。

http://www4.nhk.or.jp/P3637/

 神田京子先生のブログ(http://blog.kandakyoko.com/?eid=1416855)によると

*特番 オペラ寄席「すぱげっ亭」2015 inサマー放送決定!
8月17日(月)~21(金)連続5日間放送
18:00~18:50 NHK FM 

名作オペラを日本の伝統話芸で物語る「リストランテ」
(以下敬称略)
構成台本:桜田ゆみ

第1夜「椿姫」講談師:神田陽子
第2夜「トスカ」関東落語:春風亭一之輔
第3夜「カルメン」講談師」:神田京子
第4夜「セビリヤの理髪師」漫才師:おぼんこぼん
第5夜「魔笛」上方落語:桂かいし

(京子・かい枝師匠・おぼんこぼん先生のは、去年収録の作品再放送です)

 だとのこと。ちょっとこれは「ゲテモノ」の類かもしれませんが、興味のある方はエアチェックを。

本牧亭、上野を離れる2015年05月30日 01:02

 このブログでも何度か話題にしているよう、私は最近、講談を聴く機会が増え、ナマのものに限れば落語より講談を聴く回数が多くなっています。
 さて、講談の定席といえば上野にあった「本牧亭」。本牧亭の名が最初に現れたのは1857(安政4)年だとのこと。そして上野鈴本演芸場のすぐそばの路地の左側にあった古い世代にはお馴染みの「本牧亭」が開かれたのは1948(昭和23)年。昭和25年より講談の定席となり、多くのファンに親しまれてきたものの、1990(平成2)年1月、惜しまれつつ閉場。下の画像は1960(昭和35)年の本牧亭付近の地図です。

上野・本牧亭付近の地図(昭和35年)


 その後も興行の形態を変えながら「本牧亭」の名は使われ続け、池之端、そして黒門町へと移っていきますが、2011(平成23)年、黒門町本牧亭は閉場。本牧亭は拠点となる場を失いました。
 ですが「本牧亭」の名を守りたいという元のおかみさんの努力、そして熱心なファンに支えられ、「本牧亭」という名の付く講談の会が場所を借りながら行われてきます。場所は、元の本牧亭のすぐ向かいにある「とんかつ武蔵野」のいう店の2階。普段はパーティールームとして使われているスペースを毎月第2土曜と日曜、即席の高座を設え、「本牧亭講談会」として小規模ながらも会が開かれてきました。しかし、このとんかつ屋さんが改装をする事になり、この会も続けられなくなります。主催者は上野近辺で代わりの場所をいろいろ探しましたが見つけられず。結局、御茶ノ水に移転し、駅のすぐ近くの居酒屋のスペースを借りてこの会は継続することになります。こうして、「本牧亭」は長く親しんだ上野の地を離れることになりました。
 人間国宝の一龍斎貞水先生の初高座もこの本牧亭でした。世の中には残るもの、消えるもの、いろいろありましょうが、残そうと努力なさっている方の姿をこれからも見つめ続けてゆきたいと思います。

上野・本牧亭のあった路地の現在

↑上野・本牧亭のあった路地の現在

上野・本牧亭のあった場所の現在

↑元の「本牧亭」があった場所の現在。

その斜め向かいの「とんかつ武蔵野」

↑元の本牧亭のすぐ向かいにある「とんかつ武蔵野」。ここの2階を借りて、「本牧亭講談会」は開かれていた。

「本牧亭講談会」

↑5月24日、上野での最後の「本牧亭講談会」が開かれた。

「田辺鶴遊」真打昇進披露パーティー2015年03月31日 05:46

 29日日曜日の夜、東京で桜の満開が発表された日、宝井駿之介改め「田辺鶴遊」さんの真打昇進披露パーティーが、浅草ビューホテルで行われました。私は落語に関してはマニアであると自負していますが、恥ずかしながら講談に関しては最近まで無知同然でした。1年ほど前からある方のお誘いもありまして、講談の会へ足を運ぶようになりました。落語も講談も基本、良く似た芸ですが、落語は笑わせることが中心、講談はストーリーを聴かせることが中心。聴きこんでみるとなかなか楽しく、今では月に2~3回は講談を聴きに東京まで出ています。

 新真打・鶴遊さんとは直接には1回しかお話のしたことのない御縁なのですが、先の私に講談を紹介してくれた方の勧めもあり、一昨日のパーティーにご招待を頂いた次第です。

 パーティーは午後7時に開宴。招待客は300人ほどでしょうか。ちょっと見「お坊ちゃん」という外見の鶴遊さんですが、これだけの人を集められるほどの「繋がり」が作れているのはさすが芸人さんと感心しました。講談協会会長・一龍斎貞水先生ほか、来賓の方の祝辞。鏡開きがあり、そのあと食事が始まります。しばらくして、芸人の方たちによるパフォーマンス・余興が始まり、大木凡人さんの司会による音楽ショー。アントニオ古賀さん、渡辺真知子さんなどの音楽・歌が披露されました。9時半頃にはお開き。良いパーティーでした。

 どうも最近、講談を聴く比率が高まっているようなのですが、この分だと20年後くらいには「講談はろー」というサイトを立ち上げているかも?

田辺鶴遊真打昇進披露パーティー(1)


田辺鶴遊真打昇進披露パーティー(2)


田辺鶴遊真打昇進披露パーティー(3)


田辺鶴遊真打昇進披露パーティー(4)


薬研堀不動尊・張扇供養にゆく2014年12月29日 07:07

 私は、落語に関しては並の程度以上のファンであると思いますが、講談・浪曲に関しては恥ずかしながら大した知識はありません。落語に限らず、昔ながらの芸能にもっと接しなければならないと思いながらも、落語だけで手一杯というのが現実です。そんな私ですが昨日12月28日は、とある講談に詳しい方からお聞きしまして、東日本橋の薬研堀不動尊へ講談協会の「張扇供養」へと伺うことにしました。この寺は、「講談発祥の地」であり、境内にはそれを記念する「碑」も建っています。

 薬研堀不動尊へ着いたのは午後4時頃。昼頃はギッシリ人で埋まっていたとのことですが、この時間の人出はさほどではありません。(以下の画像はクリックすると大きな画像で見られます)

薬研堀不動尊・張扇供養(1)参道と露店


 まずは不動尊へ参拝。この不動尊は川崎大師の別院だとのことでして、真言宗の不動明王をご本尊とするお寺さんですね。

薬研堀不動尊・張扇供養(2)不動院


 本堂へ登る階段の下には提灯がズラリと並んでいます。見ると「一龍斎貞水」「宝井馬琴」両先生の名が。別の場所には「宝井琴梅」「宝井琴桜」両先生、それに日本講談協会からは「神田松鯉」「神田陽子」両先生の名の入った提灯が掲げられていました。

薬研堀不動尊・張扇供養(3)提灯


 午後5時前からは、寄席でもお馴染み二番太鼓に続き、獅子舞、そして太神楽とが披露され、集まった観客を楽しませます。

薬研堀不動尊・張扇供養(4)獅子舞


 そして5時30分からは「張扇供養」。場所は本堂左手、弘法大師の像の建つ小スペース。「講談協会」の旗を持った方を先頭に、協会の会員の先生方が続々と入ってきます。集まりますと、般若心経「しきそくぜーくう」、御真言「のうまくさんまんだばざら」と僧侶による読経が始まりました。下写真で、講談協会旗の左側に立つのは、一龍斎貞水会長。

薬研堀不動尊・張扇供養(5)張扇供養


 そして、お焚き上げが始まり、火の手があがりました。貞水会長に続き、会員の先生方が次々と、張扇の「ミニチュア」を火にくべます。この「ミニチュア」は宝井琴星先生が作製したもので、割り箸を和紙で包んだものだそう。

薬研堀不動尊・張扇供養(6)張扇供養


 参拝に来た人々には、扇型の紙が配られまして、各々思い思いの願い事を書き込みます。汚い字ですみませんが、昨年、脳内出血という大きな病気をしてしまった私は取りあえず「健康でいられること」を願い事としました。

薬研堀不動尊・張扇供養(7)扇型の紙に願い事


 講談の先生方に続き、一般の参拝客が願い事を書き込んだ紙を火にくべます。

薬研堀不動尊・張扇供養(8)火にくべる


 「張扇供養」が終わり、午後6時20分頃からは「辻講釈」。二ツ目の先生方が次々とマイクの前に立ち、一人5分ほどいろいろと語ります。内容は講談の修羅場であったり、漫談調のものであったり。下写真は、来年3月に真打ちに昇進される宝井駿之介先生。赤い盆の上には投げ銭が。講談という芸能はこのように人の集まる場から、自然、誕生したものなのですね。いつまでも講談もこのような「大衆芸能」であって欲しい、そんな事を願いながら帰路につきました。

薬研堀不動尊・張扇供養(9)辻講釈・宝井駿之介