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東京かわら版の創刊号を見る2015年06月06日 21:27

 演芸専門誌『東京かわら版』が今月号で創刊第500号を迎えました。今や、東京及びその近辺で落語・講談・浪曲などの演芸を趣味とする人々には手放せないこの冊子。聞くところによると芸人さんの中にも、このかわら版の情報欄をみて自分のスケジュールを確認する方がいるとか。
 さて、『東京かわら版』の創刊号、第一号が刊行されたのが1974(昭和49)年11月のこと。わずか8ページの冊子だったと聞きます。例によって私のマニアの虫が疼きまして、どんなものだか見てみたい。ということでいつものように、国会図書館へ赴き創刊号のコピーを入手してきました。
 1ページ目は「年中行事・催物等」というページ。都内での神社の祭礼やどこの博物館・美術館でどういう催しがあるという情報が掲載されています。ボリュームとしては不十分でまだまだ手探りの状態でした。2ページ目から6ページ目まで、この冊子の8分の5を占めていたのがなんと映画情報。いまや演芸専門誌として確固たる地位を占めている『東京かわら版』は、創刊時は実は映画の情報を主とした雑誌だったのです。創刊号発刊の2年前の1972(昭和47)年7月には雑誌『ぴあ』が創刊されていますので、この『ぴあ』の影響を強く受けたのではないでしょうか。当時の社名は『(有)東京月間情報社』で、この社名が当初の方向性をよく示していると思います。
 7ページ目はスポーツの情報欄、そして8ページ目が「落語会など」の情報で、演芸の情報はこの1ページきりでした。「映画」というメジャーな分野では商売として成り立たず、「演芸」という独自性のある情報にウェイトを置くようになり、そして特化していったことにこの専門雑誌の成功のカギがあったのでは。
 さて、これからの『東京かわら版』ですが、先に挙げた『ぴあ』は、ネットメディアの台頭により「情報はタダで得られるもの」という考えが一般化し、雑誌としての『ぴあ』は4年前に終刊となりました。映画などという全国規模で展開されるメジャー分野と違い、手作りの規模でやっている場合も多い「演芸」の世界だからこそ、まだまだ『東京かわら版』は重用されているのでしょう。「演芸」というささやかな楽しみには、A4サイズの3分の1程度のこの『かわら版』が良く似合います。
 以下の画像は、著作権の問題とかもありましょうが、ひっそりとお楽しみください。

東京かわら版・創刊号(1)
↑創刊号の第1ページ目

東京かわら版・創刊号(2)
↑2ページから6ページまでは、映画の情報。現在『演芸専門誌』となっていることを考えれば意外である。

東京かわら版・創刊号(3)
↑7ページ目はスポーツの情報欄

東京かわら版・創刊号(4)
↑そして最終ページ、8ページにやっと「落語会等」の情報欄。演芸の情報はこれきりだった。今の冊子の厚さを考えれば隔世の感がある。

CD集『米朝十八番』2セット発売される2015年06月11日 00:09

 アマゾンなどで落語のCDを漁っていて「オヤ?」と思った方もいるかもしれません。本日、6月10日、先日逝去された桂米朝師のCD集『米朝十八番』が発売されたのですが、なぜか全く同じ表題のCD集が2セットある。画像で見ると、ジャケットの図柄も全く違っている。昨今のアイドル歌手のように、内容は全く同じで(売り上げを水増しするため)ジャケットだけを変えたとか、まさかそんなはずはありません。
 仮に灰色のジャケの方を(A)、緑のジャケの方を(B)とします。(A)の方は、大阪サンケイホールで1977年7月12日から18日までの6日間開かれた『桂米朝六日間連続独演会』を収録したもの、(B)の方は1979年から1985年の間に独演会などで収録されたもののうちから米朝師自身がセレクトした十八席だそう。ともに過去にレコード集として発売されていました。特に(A)の方のレコード集は、限定1000セットしか発売されず入手が難しく私も所持していませんでした。こうやって、お手軽にCDを入手できるようになるとは、嬉しいことです(もちろん金もかかるが)。
 今回のCD集で特異なのは、なぜかお値段が安価なこと。ふつうCD1枚当たりの値段は、2000円が相場で、今回のCD集は(A)(B)とも8枚組ですから1万6千円程度になるのが普通のはずです。それがなぜだか、1セットあたり8888円+税という不思議な価格設定。通常の価格の半額程度、1枚あたり1000円ちょっとというお得さです。
 米朝師が逝去され大きなニュースになりましたので、ここで普段、落語を聴かないような人にまでCDを売り込もうというユニバーサル・ミュージックの売り込み戦略なのかもしれませんが、ともかくお安くCDが入手できるのなら、我々コレクターとしても嬉しいことです。米朝師のLPといえば、「上方落語選集・旅のはなし」もCDになっていませんが、今回のこの2セットの『米朝十八番』が売れればCD化も実現するかもしれません。その意味でも今回のCD集2セットは買いだと思います。

米朝十八番(A)-1


米朝十八番(A)-2


米朝十八番(B)-1


米朝十八番(B)-2

NHK教育で米朝師の特集番組を放送2015年06月18日 21:17

 このブログをご覧の方から情報を頂きました。NHK教育で、先日逝去された米朝師の特集番組が放送されます。

ETV特集
洒落(しゃれ)が生命(いのち)
~桂米朝 「上方落語」復活の軌跡~
NHK教育 6月20日(土)夜11時から
 (再)6月26日(金)深夜0時から

http://www.nhk.or.jp/etv21c/archive/150620.html

 しっかりした番組を作ることでは定評のあるETV特集ですから、見ごたえのある番組をみせてくれるものと思います。期待しています。

NHK・ラジオ深夜便「名人芸を味わう」は五代目柳家小さんの「強情灸」でした2015年06月28日 00:00

 木曜日の深夜、NHK・ラジオ深夜便「名人芸を味わう」は五代目柳家小さんの「強情灸」でした。1969.08.23 NHK総合テレビの音だとアナウンスされ、落語はろー・データ編のテイク8でした。CDはコロムビアより発売されています。この噺は仕草が面白い噺なのでテレビでもよく掛かったようですね。東京かわら版には掲載されていませんが、来月は十代目桂文治の音が流れる予定だとか。放送が近くなったら、またこのブログで話題にしたいと思います。