古今亭志ん生、八代目桂文楽、三遊亭圓生、古今亭志ん朝など過去の名人落語家の残された落語音源データを公開しています。 |
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3種類の三代目金馬『茶の湯』テイク1 ― 2013年03月04日 02:09
遅れましたが、先週のTBS「ラジオ寄席」の情報です。五代目小さん師の「時そば」と「猫の災難」が放送されましたが、両方とも当方にとって初音源でした。
「時そば」で冒頭に「1983年の高座からです」とアナウンスされ、聞こえてきた出囃子は「本調子のっと」。ご存じの通り五代目小さん師は1971年頃までは「本調子のっと」、以後は「序の舞」を出囃子に使っていました。アナウンスの間違いかしらと思ったのですが、本編の小さん師の喋り口調を聴いていると確かに1980年代の声と思われます。TBSにはいろいろな音源が有るのですね。これらの情報は次の更新で反映させます。
現在、MDに取りためた音源をデジタル化する作業を進めています。その中で2000年10月7日にNHK「ラジオ深夜便」で放送された三代目金馬師「茶の湯」があり、これは「落語はろー」リスト中のテイク1、東京落語会(15回)1960年9月15日の音源で、ポリドール、ビクターからCDが発売されています。私はポリドールのCDをそのまま放送にかけたものだと思っていたのですが、今回細かく調べて見ると、ポリドールCDは29分07秒、深夜便の放送でかかったのは30分28秒とあきらかに違います。改めて両方を聴き直してみた結果、ポリドール盤のCDには4カ所のカットがある事が判明しました。
さらにビクター盤のCD音源を聴いて見ます。出囃子部分が違い、ポリドール盤及び放送された音源には冒頭部分に「エー」という直後にカット痕があるのですが、ビクター盤にはこれがありません。ポリドール盤にあった4カ所のカットは無く、完全版かと思いきや、ラストに近い部分で現在使うのが不適当とされている言葉がキレイに削除されている所がありました。
結局「ラジオ深夜便」で放送された音源が唯一の完全版ということになります。「不適当な部分」は気づかずに放送されてしまったのでしょう。という訳で、ひとつのテイクで3種類の音源があることになりました。細かい事にこだわり出すとキリがありませんね。
「時そば」で冒頭に「1983年の高座からです」とアナウンスされ、聞こえてきた出囃子は「本調子のっと」。ご存じの通り五代目小さん師は1971年頃までは「本調子のっと」、以後は「序の舞」を出囃子に使っていました。アナウンスの間違いかしらと思ったのですが、本編の小さん師の喋り口調を聴いていると確かに1980年代の声と思われます。TBSにはいろいろな音源が有るのですね。これらの情報は次の更新で反映させます。
現在、MDに取りためた音源をデジタル化する作業を進めています。その中で2000年10月7日にNHK「ラジオ深夜便」で放送された三代目金馬師「茶の湯」があり、これは「落語はろー」リスト中のテイク1、東京落語会(15回)1960年9月15日の音源で、ポリドール、ビクターからCDが発売されています。私はポリドールのCDをそのまま放送にかけたものだと思っていたのですが、今回細かく調べて見ると、ポリドールCDは29分07秒、深夜便の放送でかかったのは30分28秒とあきらかに違います。改めて両方を聴き直してみた結果、ポリドール盤のCDには4カ所のカットがある事が判明しました。
さらにビクター盤のCD音源を聴いて見ます。出囃子部分が違い、ポリドール盤及び放送された音源には冒頭部分に「エー」という直後にカット痕があるのですが、ビクター盤にはこれがありません。ポリドール盤にあった4カ所のカットは無く、完全版かと思いきや、ラストに近い部分で現在使うのが不適当とされている言葉がキレイに削除されている所がありました。
結局「ラジオ深夜便」で放送された音源が唯一の完全版ということになります。「不適当な部分」は気づかずに放送されてしまったのでしょう。という訳で、ひとつのテイクで3種類の音源があることになりました。細かい事にこだわり出すとキリがありませんね。
ラジオ寄席スペシャル ― 2013年03月11日 22:32
TBSラジオの「ラジオ寄席」ですが本日HPを確認してみた所、今週水曜日(13日)と木曜日(14日)に特別に放送があるそうです。リンク→ここをクリック
13日は昨年秋に亡くなった圓菊師の特集。昨年10月28日にTBSでの放送は野球中継で休止になったのですが、野球中継をしない地方局には『裏送り』でOAされており、これと同じ音源かと思われます。14日は公開録音からの放送。両日とも21時の放送開始で、レギュラー放送とは異なるので要注意です。
17日(日)は五代目圓楽師の特集。この日は千葉県知事選挙があります。3人が立候補しており1人の候補が圧倒的に有利な状況ですので、午後8時の投票締切直後に当確が出ると思います。ニュース速報が落語本編に掛からなければ良いのですが。
そして24日と31日は公開録音の放送。これで今シーズンは終わりのようです。果たして、秋に再び放送は始めるのでしょうか。TBSさん、らんまんさん、お願いしますよ。
13日は昨年秋に亡くなった圓菊師の特集。昨年10月28日にTBSでの放送は野球中継で休止になったのですが、野球中継をしない地方局には『裏送り』でOAされており、これと同じ音源かと思われます。14日は公開録音からの放送。両日とも21時の放送開始で、レギュラー放送とは異なるので要注意です。
17日(日)は五代目圓楽師の特集。この日は千葉県知事選挙があります。3人が立候補しており1人の候補が圧倒的に有利な状況ですので、午後8時の投票締切直後に当確が出ると思います。ニュース速報が落語本編に掛からなければ良いのですが。
そして24日と31日は公開録音の放送。これで今シーズンは終わりのようです。果たして、秋に再び放送は始めるのでしょうか。TBSさん、らんまんさん、お願いしますよ。
サライ1月号の志ん生「芝浜」 ― 2013年03月17日 01:34
最近、大人向けのちょっとシャレた雑誌に落語のCDが付録として付くことが結構ありますが、今更ながらに、小学館から発刊されている「サライ1月号」に、志ん生「芝浜」と圓生「掛け取り」が収録されている事を知りました。年末にふさわしい2題ですね。以前なら本屋をウロウロしているうちに意外な所で意外な情報を載せた本を発見することができたのですが、ネットで注文することが多くなってからこのような「意外な発見」も少なくなったような気がします。
先日、ネットオークションの出品情報を何気なく調べているうちにこのサライの付録CDの存在を知りました。オークションの商品画像にCD袋の裏面の写真があり、志ん生「芝浜」は、落語はろーリストのテイク2で1958.12.25ニッポン放送の音源、圓生「掛け取り(万歳)」はテイク12、1976.12.04東宝名人会の音であることが分かりました。両方とも市販CDが発売されており容易に入手できる音源なのですが、気になる事が1つ、そのサライの付録CDでは志ん生「芝浜」は収録タイムは「25分40秒」と記してあります。落語はろー中に記したタイムは「25分22秒」でこれはポニーキャニオンから発売されているCDのタイムです。「25分40秒」と「25分22秒」。この18秒の違いは何なのか。私はこういう事にどうしてもこだわってしまう性分です。昨年12月発売の雑誌ですから取り寄せることも可能だったのでしょうけれど、オークションでCDのみ格安で出品している品が何件かありましたので、これで入手することにしました。 そして調べてみた結果嬉しい発見が。付録CDの4分33秒~42秒の「今と違って昔はエー、芝の浜に買い出しに行きますな」という件と4分55秒~5分07秒の「どうしたの。どうしたのじゃねえ~(中略)~喧嘩じゃないよ、見てくれ見てくれ、え、どうだ」という件が、市販のポニーキャニオン盤CDではカットされていたのです。見事、この付録CDがカット部分を復元してくれました。サライを買ってこの付録CDを聴いてこんな「事実」に気付いた人は稀でしょうけれど、これは音源選定・マスタリングの草柳さんならではの「思い入れ」かなと、ニヤリとしてしまいました。
しかし、ポニーキャニオンのCDはニッポン放送の原盤から作成しているはずなのに、このような必要もないカットを何故したのか、謎ではあります。
先日、ネットオークションの出品情報を何気なく調べているうちにこのサライの付録CDの存在を知りました。オークションの商品画像にCD袋の裏面の写真があり、志ん生「芝浜」は、落語はろーリストのテイク2で1958.12.25ニッポン放送の音源、圓生「掛け取り(万歳)」はテイク12、1976.12.04東宝名人会の音であることが分かりました。両方とも市販CDが発売されており容易に入手できる音源なのですが、気になる事が1つ、そのサライの付録CDでは志ん生「芝浜」は収録タイムは「25分40秒」と記してあります。落語はろー中に記したタイムは「25分22秒」でこれはポニーキャニオンから発売されているCDのタイムです。「25分40秒」と「25分22秒」。この18秒の違いは何なのか。私はこういう事にどうしてもこだわってしまう性分です。昨年12月発売の雑誌ですから取り寄せることも可能だったのでしょうけれど、オークションでCDのみ格安で出品している品が何件かありましたので、これで入手することにしました。 そして調べてみた結果嬉しい発見が。付録CDの4分33秒~42秒の「今と違って昔はエー、芝の浜に買い出しに行きますな」という件と4分55秒~5分07秒の「どうしたの。どうしたのじゃねえ~(中略)~喧嘩じゃないよ、見てくれ見てくれ、え、どうだ」という件が、市販のポニーキャニオン盤CDではカットされていたのです。見事、この付録CDがカット部分を復元してくれました。サライを買ってこの付録CDを聴いてこんな「事実」に気付いた人は稀でしょうけれど、これは音源選定・マスタリングの草柳さんならではの「思い入れ」かなと、ニヤリとしてしまいました。
しかし、ポニーキャニオンのCDはニッポン放送の原盤から作成しているはずなのに、このような必要もないカットを何故したのか、謎ではあります。
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