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古今亭志ん生、八代目桂文楽、三遊亭圓生、古今亭志ん朝など過去の名人落語家の残された落語音源データを公開しています。

 
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圓生、謎のレコード2013年07月07日 19:04



 「謎の」というより「珍品」というべきでしょうか。何年か前にネットオークションで入手したものです。「長崎の唄・円生のながさき小ばなし」とあります。7インチサイズのレコードで33回転。片面10分ほどの長さ、A面には「円生の小ばなし」と題したたわいもないバレ噺と『ぶらぶら節』の唄が、B面にはこれまたたわいもない圓生のバレ噺と『春雨』という唄が収録されています。いつ、どういう経緯で作られたものかは分からないのですが、ジャケットに「長崎バス」と記してあります。私の勝手な予測ですが、長崎のこのバス会社が団体客のPR向けに作ったのでは。さらには圓生の声のトーンやジャケットの写真の感じからして、ディスカバー・ジャパンとやらで旅行ブームに浮かれていた1970年頃に制作されたものでないかとも勝手に予測。
 当時すでに名人の誉れ高かった圓生が、なぜこのようなレコード音源を残したのか興味深い所ですが、今となってはその謎を解明する手段もないでしょう。それにしても、たわいもない小噺とはいえ、一席は一席です。『落語はろー』のリストに掲載すべきなのでありましょうか?

9月に落語研究会・桂枝雀DVD全集発売されます2013年07月17日 22:30

 落語研究会のDVD全集は、今年冬に発売されると予想される小三治・下でとりあえずは打ち止めかと思っていたら、アマゾンからメールが来て、9月25日に枝雀師の全集が発売されると知らされました。落語研究会では枝雀師は22回口演してますが、そのうち19回がテレビ放映されています。このなかで「饅頭こわい」と「寝床」の口演が2回ずつあるのでこれを除いた17席が発売されると思われます。すでに枝雀師は、「枝雀落語大全」という40枚組のDVD全集を出していてこのなかに、落語研究会の映像も7席含まれているので、もう新たな発売はなかろうと思っていました。この7席は重複してしまう訳で、コンプリートを目指す人には余計な出費となってしまいます。いつもながらに困ったことですね。
 私は桂枝雀師のオーバーなアクションで取る笑いよりは米朝師のような折り目正しい端正な落語を好む質の人間なのですが、落語研究会の映像なら是非欲しい、やはり購入することになりましょう。発売はEMIですが1980年代「東芝」の時代以来、吉本興業系、米朝事務所系の上方落語のCD・DVD発売はEMIがほぼ独占しています。これには何か歴史的経緯でもあるのでしょうか?

780円のCD2013年07月24日 01:06

 780円のCDといっても驚かれないでしょう。駅頭やスーパーのワゴンセールで著作権関係がうやむやの何百円というあやしいCDを見かけることはよくあります。今回記すのは、落語会唯一の人間国宝、桂米朝師の正規のCDが1枚当たり780円で売っていたという話です。御徒町の駅から東へ歩いて3分程の所に「多慶屋」というディスカウントショップがありまして、ここの店で15年ほど前、東芝EMIから出ている「特選・米朝落語全集」の全40枚組のCDを1巻780円という値段で売っていたのです。ちなみに通常の価格は2,300円。CDはバッタものではなく正規のCDであり、どうしてこんな価格で売れるのか疑問でなりませんが、とにかく安ければ有り難い。当時の私はまだ上方落語の音源までコンプリートしようという気か無かったのですが、上方落語界の最高峰のCD40枚が3万円と少しで入手できますので少し無理をして買ってしまいました。
 なぜこんなに安く販売できたかということを推測しますが、このCDの音源は1990年代に収録されたもので、全体の3分の2程度が「大阪コスモ証券ホール」という所が収録場所となっています。この証券会社がCDの製作にも関わっていたのではないか。1990年といえばバブルの最高潮の頃ですね。資金には余裕があるので、顧客への贈答用としてでもこのCDをストックしていたのではないか。そしてバブルが崩壊。たちまち資力に余裕のなくなった証券会社が、とりあえず売れる物ならなんでも売れやということで、このストックしておいたCDも、ディスカウントショップの流通に載せられることになった。こんな風に勝手に推測するのですが、実際のところはどうなのでしょう。